井上哲治・玲音夫妻 令和6年5月
インキュベーションファームでの研修を終え、就農一年目がスタートしました。
大変なことも多いですが充実した日々を過ごしています。
農業経験がない私達が、インキュベーションファームという存在を知り移住を決めたのは、偶然旅行で訪れたのがきっかけでした。
頼れる人も知り合いも居ない中で、私達がこうして無事に就農出来たのは、インキュベーションファームの講師の皆様、先輩方、研修を通して出会った方々のおかげであり、感謝しかありません。
振り返ると、慣れない場所での生活、寒い中での力仕事、初めてのピーマン栽培、二年目では苗を植えた直後から栽培終了時まで病害に悩まされたり等、大変なこともありました。
そして、こうした研修と並行して、研修後に借りる圃場や空き家を決めていかなければならないはずが、それがなかなか見つからず、たくさん悩まされました。
現在は、研修を通して出会えた地元の人達からのたくさんの助けを受け、無事に今年のピーマンも植えることができ、楽しい毎日を過ごせています。
インキュベーションファームでの研修を終え、今、私達が思うのは、農業について学び理解を深めることは大事だということ、そしてそれ以上に人との繋がりも大切だということです。
研修で基礎は学べますが、日々変わる気候や初めて見る病害虫、三年目を迎えても当然ながら分からないことばかりです。そんな時、先輩方や地元の方々から話や意見を聞き、そうした事が学びに繋がっていると実感しています。
最後に、これから移住を考えている方々の参考になれば、ということで私達が問題だと思う点、良いと思う点を書こうと思います。
問題点は、空き家はあるが住めるかどうかとなると難しい、ということです。私達が見た限りでは、必ずリフォームが必要な空き家、または住めるが空き家にしては高額すぎる空き家、が多かったです。現在、日本中で空き家問題が出ているので、今後改善されることを期待したいです。
良い点は、一年目で基礎を学び、二年目で模擬経営、三年目から完全に独立、というインキュベーションの形が、とても自由だということです。研修後からは特に、伸び伸びと自分たちのやりたいようにやれるので、好きなように時間を使い、自分たちの理想とする生活、農業をすることができると思います。
私達はまだまだ足りない事ばかりで、生活も完全に安定したとは言えませんが、楽しく充実した毎日を過ごしています。
これからもこの豊後大野市で人を頼り、人に頼られ、楽しく農業をしていきたいです。